宇宙混沌
Eyecatch

第2章:盗撮 [2/4]

「たっだいま~。戻ったぜ」
「おっ、帰って来たね」
 執務室で骨喰と二人、仕事の続きをしていると、明るい声が聞こえた。鯰尾は風呂掃除に行った後戻って来ないので何処かでサボっているのだろう。
「獅子王おかえり~」
 遠征の報告に来た獅子王を鵺ごとわしゃわしゃする。
「へへっ。成功せいこー」
「他の皆は?」
「風呂行った。俺も行く」
 獅子王が出て行った後、審神者は骨喰を突く。
「今日は江雪様も遠征部隊だったから、今がチャンス!」
 骨喰は渋々立ち上がると、獅子王を追いかける。
「お? お前も入んのか?」
「いや、盗撮を頼まれた」
「盗撮? また主の悪巧みかー?」
 骨喰は頷く。ちょいちょい、と獅子王はカメラを渡すように手で示した。
「面白そうだし、俺が撮ってきてやるよ! 誰を撮れば良いんだ?」
「江雪だ」
「了解!」
 カメラを懐に仕舞いながら、浴場へと駆けて行く獅子王の背中を骨喰は見送る。
(……何か……不安だ……)
 盗撮が成功しても失敗しても良くない事が起こりそうだ。

「あ、おかえりなさーい」
 主の風呂を覗き見た罰としての風呂掃除が終わった後、鯰尾はそのまま更衣スペースの椅子に寝転がってダラダラしていた。どうせ執務室に帰ったって仕事が待っているだけだ。
「おや、貴方、今日は近侍ではありませんでしたか?」
 最初に入ってきた宗三が尋ねた。鯰尾はヘラヘラと適当に誤魔化して立ち去る。
 続いて江雪、小夜、清光と安定がぞろぞろと入ってくる。最後に獅子王が滑り込んで扉を閉めた。
(しっかし、どうやって撮ろうかな……)
 浴場に持って入るのはタオルだけだし、それに包むか。
「獅子王何持ってんの?」
 が、考えている早々に安定に見つかる。幸いにも左文字三兄弟は既に浴場へ入っていた。
「いやー主が江雪を撮りたいらしくて……」
「あー、鉄壁の襦袢ね」
「確かにお風呂では脱いでるね」
 清光と安定は納得した様に頷く。
「で、撮るのか」
「やめた方が良くない? 見付かったら本人だけじゃなくて弟二人にも斬り殺されそう」
 そう言われると、軽はずみな気持ちで引き受けた獅子王の意志が揺らぐ。
 やっぱやめるか。そう言おうと顔を上げた時、安定の向こう側に二つの顔が覗いているのが見えた。
「話は骨喰から聞きました! 撮影に成功したら、主も江雪の事追いかけ回すのちょっとはマシになるんじゃないですか?」
 目をキラキラさせて言ったのは鯰尾だ。その隣で骨喰は面倒くさそうに殆ど無表情の眉をほんの少しだけ傾かせている。
「お前、単に面白がってるだけだろ」
 清光の指摘に鯰尾は舌を出す。
「骨喰のカメラもかかってますしね! 手伝いますよ獅子王!」

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