第2章:盗撮 [1/4]
「ていうかよく考えたら君達は江雪様の裸なんて見放題だよね」
仕事中の審神者がそう言うと、本日の近侍である鯰尾藤四郎はニカァっと笑った。
「まあ、男同士ですからね。主が見たがってる胸板どころか下も見放題ですよ」
どんな風か教えてあげましょうか? と楽しそうだが審神者は制止する。
「やめろ私の楽しみが減る」
「……下も見る気なのか……」
同じ部屋で別の仕事をしていた骨喰藤四郎がぼそっと何かを言ったが聞こえないふり聞こえないふり。
「そんなに見たいなら覗けば良いんじゃないですか? お風呂」
「私がそんな事をしたら他の刀剣達が気にしてゆっくり風呂に入れなくなるでしょ?」
江雪を覗く分には構わないと思っている無意識発言が更に骨喰を呆れさせているのには気付いていない。
「またまた主は変な所カタイんですから~。俺なんてたまーにやってま……」
此処で鯰尾は自身の失言に気付く。男ばかりのこの本丸、鯰尾が覗くとしたら相手は一人しか居ない。
「な・ま・ず・お?」
鯰尾は政府からの連絡事項をまとめた書類でぶん殴られた後、一週間の風呂掃除を命じられた。
「とは言え、一期に影響されて私もカメラを買ってしまった」
「スマホとやらじゃ、駄目なのか?」
「私のは防水じゃないからねえ」
はい、と買ったばかりの防水カメラを、審神者は骨喰に託す。
「……俺が撮るのか……」
「上手く撮れたら君にもカメラ買ってあげよう。欲しがってたでしょ?」
デジカメで買収される程度に此処の骨喰はちょろい。というか、基本的に皆ちょろい。物に釣られないのは江雪くらいのものだ。
「写真を撮っておけば、記憶がなくなっても……」
「待って、この話でそういう暗い話はやめよう?」
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Written by 星神智慧