宇宙混沌
Eyecatch

第9話:夏だ! 主命だ!! 水浴びだ!!! [7/7]

 その頃エンの本丸では。
「良い? 鶴丸。申し込んじゃったから僕は秋くらいに学会で三日四日本丸[ここ]を離れるけど、その間に勝手に変な所に出陣して帰って来た僕を驚かせようとか考えないでね?」
 傷付いた刀身の修復は審神者の霊力が頼みだ。留守中に万が一の事があったら大変なので、まだ先の事だが口酸っぱく言い聞かせている。
「ははっ。全く、俺は信用が無いなあ」
 鶴丸は本気とも冗談とも取れない口調で返す。やれやれ、と首を振り、エンはメールボックスを開いた。
 大学から飛んでくるメールは少し多すぎるな、と思いながらもチェックしない訳にもいかないので、エンはタッチパネル搭載のパソコンの画面をなぞる。一方で、コウからの返信は無かった。
「ん、教授[ボス]からだ。珍し」
 無題のメールをタップする。ボスは面倒くさがりなのか、件名なしの事も多かったから気にも留めなかった。
 その内容を読むまでは。
「……どうした?」
 急に黙り込んだ審神者に、鶴丸が心配そうに声を掛ける。エンは元々ボリュームが小さい声のトーンを更に落として言った。
「ごめん鶴丸。明日も急に現世に帰る事になった」

闇背負ってるイケメンに目が無い。