宇宙混沌
Eyecatch

第9話:夏だ! 主命だ!! 水浴びだ!!! [3/7]

「えっと、石切丸と青江の分は要らないっと……」
 今剣と一緒に彼の水着を選んでから、審神者は最後の部屋、左文字三兄弟の部屋の襖を叩く。
「どうぞ」
 低く落ち着いた声が返ってくる。開けると、クールビズの為、洋装の江雪が本を読みながらボールペンで何かノートを取っていた。来たのが審神者だと判ると、机の上からさっとそれを片付ける。
「ちゃんと着ててえらいえらい」
 審神者は江雪の頭を茶化す様に撫でた。何を勉強していたのかは知らないが、追求する気も無い。
 宗三は間続きの隣の部屋でバテていた。小夜はエアコンの真下で袈裟に包まってごめん寝をしている。文明の利器で行える最高の贅沢の一つを満喫しているようだ。
「何の用ですか?」
「池で水浴びしようと思うんだけど君達はどう……小夜は泳ぐのね」
 ごめん寝ポーズのままだが、結んだ髪の先がピクピクと動いた。
「泳ぐ僕を眺めて歴代の主の上をいくつもりですか……」
「うん、宗三はマジでバテてるみたいだしやめといた方が良いかな?」
 力無い声で返す宗三の様子を見る。エアコンで冷やし過ぎなのでは、と審神者は設定温度を少し上げた。
「私も遠慮して……」
「江雪はライフセーバー要員なので拒否権はありません」
「最初からそれが狙いですか」

闇背負ってるイケメンに目が無い。