宇宙混沌
Eyecatch

第7章:愛されキャラ [4/6]

「出来た」
 骨喰は器に盛り付けた鶴丸用の粥を、台に置いていたカメラで撮影する。
「手伝ってくれてありがとう」
 光忠が骨喰に礼を言った。もう一人の当番の鳴狐の代わりに、狐も礼を述べる。狐は鳴狐の霊力で具現化している妖怪の様な、幽霊の様なもので、五虎退の虎も同じくそれぞれの霊力でその形を保っている。
「構わない。俺は粥を作るのが上手くなった」
 食欲を無くし通常の食事を拒んだくせに、後から「お腹減った」と毎度毎度泣き付かれては作ってやらざるを得なかった。お蔭で粥のレパートリーだけやたら増えてしまった骨喰である。
 撮った写真を確認し、骨喰は粥を食事の間で待つ鶴丸の元へ。大分快復したらしい鶴丸は、既に様々な刀剣に囲まれて談笑していた。
「おっ、こりゃ何だ?」
「粥と言って、米をふやかしたものです。上に乗っているのは……」
 隣の一期が説明する。骨喰は鯰尾の隣に腰を下ろした。
「どうした兄弟?」
 先程までテンション高く「馬糞はおやつー!」等と叫んでいた鯰尾が、今は不機嫌そうに鶴丸を睨んでいる。まあ、食事の場でその台詞を吐かれないだけマシか。
「あの人、俺とキャラ被り気味な気がするんだけど、骨喰はどう思う?」
「被ってるのはキャラじゃなくて声じゃないか?」
 一期が鶴丸にベッタリなので、嫉妬しているだけだろう。
「遠征組と出陣組は帰って来たかい?」
 光忠が顔を出した。骨喰は首を横に振る。
「お粥冷めちゃうし、昼から出陣組だけ先に食べる?」
「そうします」
 今度は鯰尾が答えた。じきに出掛けている者も戻って来るだろう。

「貴方がへまをしなければ!」
「貴様の刀がなまくらだからだろう?」
 転送装置から出陣組が帰還した。先頭を歩く宗三と長谷部が何やら言い争っている。
「何ですって!? このっ、へま切長谷部!」
「その言葉、聴き逃せんな!」
「俺が誉を取ったから……」
 その後ろで山姥切国広が頭上の布を押さえて俯く。後ろの三人、同田貫に陸奥守、そして今剣が否定して励ました。
「いつもの事だろ? 気にすんなよ」
「そうじゃそうじゃ」
「けんかするほど、なかがいいってやつです!」
 さあ、風呂に入って昼餉だ、と本丸に向かっていると、江雪が向かって来ていた。兄の姿に気付き、宗三は口を慎む。釣られて長谷部も。
「兄さま、どうかしたの?」
「お小夜を迎えに来ただけです……貴方もですよ」
 やきもちを焼いたような顔をした弟に、言葉を付け足す。
 小夜は歌仙と二人で遠征だ。数分後、転送装置の中から出て来た。
「兄さま」
「お帰りなさい」
 江雪は被っていた傘を小夜に返す。歌仙はその様子を微笑ましく見ていた。
「兄さま……」
「どうか、しましたか?」
 小夜は言いにくそうにしていたが、意を決したのか、顔を上げる。
「兄さま、獣臭い。馬小屋に居たんだね。ご飯の前にお風呂に入ってきた方が良いよ」
「お小夜、言いたい事をハッキリ言うのは良いけど、少しはオブラートに包んだ方が雅だね」
「その言葉、そのまま返すよ」

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