宇宙混沌
Eyecatch

暗い狭い空間に閉じ込められる話 [4/5]

「設計者と連絡着いたぞー」
 審神者がパソコンを抱え、スマホのハンズフリーで話しながら走ってきた。まさか光忠達が中に閉じ込められているとは思っていない大倶利伽羅は、指示通りただ待っていただけだった。当然、外に人が居るとは思っていない中の者達からのアクションも無い。
「で? 緊急コマンドより先にハードの接続方法を教えてくれ……ケーブル!? やばいそれ持ってないわ。大倶利伽羅」
 電話する審神者を見ていた彼に、審神者はスマホを渡す。
「審神者用の転送装置でちょっくら調達してくるから、その間相手してやってくれ」

「フッ」
 鶯丸はただ、薄い笑いを漏らしただけだった。酸欠の所為で判断力も下がってきたのはお互い様の様だ。
「そうだな。此処は暗いし、二人きりだし」
 言うなり、光忠の手が鶯丸の服の上を這う。もう片方の手で頭を支え、光忠は真っ暗闇の中でも完璧な口付けをした。
「手練れだな。何処で覚えたんだ?」
「そんな……一期さんや鶴さん達に比べたら全然だよ……」
「あの二人と比べるな。桁が違う」
 鶯丸の同居人は太閤の時代やそれより前から、美人と見れば手を出してしまう真正の遊び人、いや遊び刀だ。
 光忠の手が、先程意図せず触れてしまった場所の上で止まる。鶯丸が問うた。
「どちらが良い?」
「……」
 上か下か。そんなところまで頭が回っていなかった、というか酸欠で頭が回らない。ただ、どうしようもなく彼の香りが誘ってくるのだ。鶯丸は見た目からして色気があるとは思っていたが、まさか視覚情報を遮断されて初めてその本領が発揮されるとは思っていなかった。
(ぼうっとする……)
 あと数十分も意識は持たないだろう。そのまま見つからなければ肉体は死ぬ。刀身に宿る分霊が無事なら人型の傀儡を交換すれば記憶を保ったまま再生できるだろうが、戦場では肉体が死ねば刀も折られる事が多く、光忠の頭の中ではこのまま刀剣男士としての生は終わってしまうのだと思い込んでいた。
 どうせ死ぬなら最後に良い思いをしたい。
「僕が上で良いかな?」
「好きにしろ」
 その言葉に、光忠は鶯丸の服に手をかけた。

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