宇宙混沌
Eyecatch

第2章:あなたはだあれ [1/5]

「お前狸平の若君だったのか」
 犬夜叉が驚きの声を上げた。
「あら懐かしい。珊瑚ちゃんと綺麗な着物着たの思い出すわ」
「父上の葬儀でなにか騒いでるなとは思ってたけど、宴会するなんて酷いんだぞ」
「ごめんね。狸穴将監の本性を暴く為だったのよ、許してちょうだい」
 もちろん竹千代も怒ってはいない。ただ少し呆れているだけで。
「ちょっと待って」
 話の腰を折ったのはとわだ。
「戦国初心者の私にも解るように話してくれない?」
「要は狸穴将監さえ居なけりゃ、竹千代は今頃、一国を治める殿様だったってことですよ」
 理玖が簡潔にまとめる。とわは解ったような解ってないような顔で「はあ」と呟いた。
「なんで追い出されちゃったの?」
「その話に変えて良いのか?」
 もろはが膝に肘をついて尋ねると、とわは首を横に振る。
「ううん、続けて」
「どこまで話したっけ?」
「まだ最初の依頼が終わったとこだぞ」
「長くなりそうだな」
「まったくなんだぞ……」
「それくらい濃い時間を過ごしてきたってことでしょう? ねえ?」
 理玖はとわに目配せをする。
(何か理玖様の失態でもバラしてやるんだぞ……)
 面白がられている身としては面白くない。竹千代は記憶を辿りながら、再びその口を開いた。

Written by