宇宙混沌
Eyecatch

もっとすごいこと [1/4]

 竹千代が丸一日人間の姿で過ごせるようになった頃。もろはは竹千代を理玖の船の外に連れ出した。実際には竹千代が[おか]まで飛んだのだから、竹千代が連れ出したとも言えるが。
 二人が船を離れたのは他でもない。夫婦の営みどころか恋人として触れ合うことすら、あの騒がしい船の上では難しい。興味津々のとわ、神出鬼没の理玖、風紀に厳しいせつな。口吸いすら落ち着いて出来ないので、こうしてしばしば船を抜け出す。
 山の中で適当な木の下を選び、竹千代はもろはの顔を上げる。もろはがふとぼやいた。
「理玖の旦那も、さっさととわをものにすれば良いのに」
 そうすればとわは自分の事でいっぱいいっぱいになり、もろは達のことを付け回さなくなるだろう。
「理玖様はとわの返事を待ってるんだぞ」
「え、そうなの? だからとわの奴、アタシが竹千代になんて返事したか、しつこく訊いてきたのか」
「多分あまり参考にならないんだぞ」
『俺の今の夢は、お前の夫になることなんだぞ』
『その夢も叶えてやるよ』
 二人が共有した時間と想いがその言葉には詰まっていた。そのまま流用できるものではない。第一、理玖の言葉に合わせた回答をすべきだろう。
「何て言ったか教えたんだぞ?」
 もろはは首を横に振る。
「普通に思ってること言えば? って言っといた」
「それが良いんだぞ」
 もろはは言葉通り、竹千代の夢を叶えてくれた。既に何度か体を重ねている。
 竹千代がいつものように、もろはの口をその唇で塞いだ。口吸いで舌を絡ませるなんて、竹千代に教えてもらうまでもろはは知らなかったが、今は言われるまでもなく竹千代の舌を受け入れる。
(……下りてきた)
 これから起きること、これまでに与えられた幸福と快楽を思い出して、下腹部が疼く。母が縫ってくれた着物の下は、短い肌小袖の他には何も着けていない。溢れた蜜は秘部を離れて、もろはの腿と、竹千代の爪先を濡らした。
 竹千代もそれに気付いて、更に体を寄せるともろはの尻を揉む。そのまま着物の裾を除け、中を弄った。
「ふぁ……」
「今日早いな」
 何が、とは竹千代は言わなかったが、もろはの体の準備が整うのが、とは本人も自覚がある。
「そんなことない」
 しかしその口は素直ではない。
「じゃあもっと解すぞ」
 竹千代の指が入り口を撫でる。既に滑るくらい濡れていて、指先は自然と中に誘われる。後ろからなので深くは入らず、入り口付近だけが熱くなって、もろはは腿を擦り合わせた。
「やっ、もう良いよ」
「俺がまだなんだぞ」
 竹千代はもろはを離すと、自分の着物に手をかけた。膨れかけの烈情を取り出す。
「もろは」
「ん」
 何を求められているかは解っている。前に一度手解きを受けた。
 もろはは地面に膝をつく。竹千代を握ると、少し扱いてから、その先端を口に咥えた。ゆっくりと舐め回しながら根本を指で締めると、竹千代はもろはの後ろの木に手を突いて息を吐く。
(……可愛い)
 竹千代はその言葉が出ないように口を押さえた。言えばもろはは照れてやめてしまう。
 竹千代のものは、もろはの口には正直大きい。今のままでも十分苦しそうだが、もっと喉の奥まで突いたらどんな顔をするだろうか。
(俺も理玖様[ひと]の事は言えないんだぞ)
 だがそんなことをすればもろはは怒って、当分触らせてくれないだろう。そんな性格も良く知っている。何か話して落ち着こう。
「お前、覚えるの早いな」
「……そんなの、妖術の時は言わなかった」
 もろはが口を離して憤慨する。
[こっち]の方が好きだし得意なんだぞ?」
「悪いかよ」
「嬉しい」
 竹千代は小袖を一枚脱ぐと、地面に広げる。その上にもろはを寝かせた。
「俺以外とはしてほしくないが」
「しないよ」
 もろはが好きなのは男ではなく竹千代だ。竹千代はその言葉に満足して、唇を寄せた。

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