宇宙混沌
Eyecatch

一生分の愛を君に [5/7]

 気持ち良い、けど何かが足りない。二本に増やされた竹千代の指を濡らしながら、もろはは思った。脇に置いていたコンドームを手に取る。
「もっと解さなくて良いのか?」
「入るだろ、多分」
 その根拠の無い自信はどこから来るのか。それで散々痛い目を見てきた竹千代は眉を顰めつつも、指を引き抜く。ここまでしておいて[]めるつもりは無い。
 もろはが袋を破り、竹千代の先端に乗せる。空気が入らないよう、丁寧にしかし迷い無く装着する手付きに、竹千代の眉間の皺が深まる。
「なんで手慣れてるんだぞ……」
「一応付け方も教わった」
「こちらの世界では[おなご]の嗜みなのか……?」
「んーまあ、アタシくらいの歳には学校で習ってるってさ」
「まあ俺達の世界でも嫁入りできる歳だが」
 付け終わったところで、竹千代はもろはの腰を掴む。持ち上げて先端を秘部に添え当てた。
「もろはが入れろ。その方が痛くないと思うぞ」
「ん」
 言われるがまま、竹千代を握って入りやすいように動かす。竹千代は、必死で下を向いて腰と手を動かすもろはの表情を眺めていたが、見ているとまた押し倒したくなったので目を伏せた。
「んっ……」
 少しだけ入った感覚。しかしもろははそこで動きを止めてしまう。竹千代は目を開けた。
「その体勢疲れないか?」
「や、ちょっと、怖くて……」
「なら今日はやめとくんだぞ」
「えっ、やだ!」
 竹千代が腰を掴んで引き抜こうとしたので、もろはは竹千代に抱きついて阻止する。その拍子に奥まで刺さった。
「あっ!」
「お前本当に馬鹿なんだぞ」
 耳元でもろはが刺激に耐えて呻く。竹千代は結ばれた場所を触って、指に付いた色を見た。
(もろはの中で出すのは諦めるか……)
 抱き合ったまま時が過ぎる。もろはが痛みに慣れた頃、ふと尋ねた。
「時間わかる?」
「俺の腹時計によると、入ってから四半刻くらいだぞ」
「時計が枕元にあるだろ? なんか数字が動いてるやつ」
 アラビア数字は理玖の船で仕事をしていた時に学んだ。竹千代は左から四桁の数字を読み上げる。
「三十分くらいか。竹千代の腹時計正確だな」
「三十分が四半刻なら、まだあと三倍は残ってるんだな」
「御名答」
「いつまでこうしてるんだぞ?」
「風呂入って髪乾かすのに四半刻はほしい」
「解った」
 竹千代はもろはを引き剥がして、口付ける。脇腹から上へと体をなぞり、小ぶりな胸を揉むと、もろはは竹千代の口の中に恍惚を溢した。
(竹千代、なんで動かないんだ?)
 もろはの中は、竹千代が胸の先を撫ぜる度に疼く。竹千代だって辛そうな顔をしているのに。
 竹千代の舌を追い出して、もろはは自ら腰を浮かせる。
「んう……」
「痛いだろ、無理するうあっ!」
 竹千代の制止は聞かずに、再び体重をかける。思わず喘いだのは竹千代もだった。もろはは自分でやっておきながら、思ったよりも深く入った衝撃に戸惑う。
(あ、でも、奥、気持ち良い……)
 確かに入り口の近くは痛い。しかし少し中に入れば、押し広げられる感覚は悪くなくて、一番奥を穿たれるのは未知の快感をもたらした。
「~~~~」
 その悦びを知ったもろはの表情に煽られて、竹千代も言葉にならない。我慢ならずに押し倒した。
「後悔してももろはが悪いんだからな!」
 優しくするつもりだったが箍が外れた。しかしもろはも既に聞いていない。ただ中で擦れる感覚と、奥が押し広げられる快感に酔う。溢れる蜜が立てる音が、もろはの意識を現実から遠ざけた。
「あっ、あっ、もっと……」
「もっと?」
 組み敷いた女が自分の腕で善がるのを見て満足していた竹千代は、その言葉に少し興醒めする。もろははまだ満たされないのか。
「あ、その……奥が良くって……」
 その心情を敏く感じ取り、もろはは慎重に言葉を選ぶ。
「なら体勢変えるんだぞ? 難しいかもだけど」

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