宇宙混沌
Eyecatch

一生分の愛を君に [4/7]

「とはいえ今日は触るだけだぞ」
「なんで?」
「孕んだらどうするんだぞ」
「責任取ってくれたらいいよ」
「そんな気軽に『うむ』とは言えないぞ。こっちの勝手もわからないし、子作りは元の時代に戻ってからじゃないと考えられないぞ」
 竹千代の冷静な判断を、理解はできたが納得できないもろはが頬を膨らませる。
「だいたいもろはも親に言われなかったのか? 体を大事にしろって」
「言われた。それで、その時こうも言ってたんだよ。『あっちの世界には子供ができないようにする為の道具が沢山あるけど、こっちには無いんだから』って」
「『あっちの世界』ってのが今居る此処か?」
「そうそう。確か『こんどーむ』っていう薄い膜があって……あっ、これじゃね? 『男性側』って袋に書いてあるし」
 もろはが枕元の小さな袋を目ざとく見つける。
「……本当にするのか?」
「嫌か?」
「嫌ではないが……」
 駄目かもしれない。
「じゃあしよ」
 好きだと気付いてしまった相手が、自分を求めてくれるのは嬉しい。その一方で、快楽の為だけに体を重ねる背徳感も、竹千代の背筋をくすぐる。
「お前初めてなんだぞ?」
「竹千代もだろ」
「当たり前だ!」
 まだ逡巡している竹千代に、今度はもろはから口付ける。
「いつも抱っこしてるじゃん。それを裸でやるだけ」
「だいぶ隔たりがあると思うが……」
「じゃあ、アタシが溜まってるからそれどうにかしろって、言った方がまだマシだったか?」
「純粋に快楽[けらく]の為に?」
「そう」
「……それも断った気がする。あ~~~落とし所が見つからないんだぞ。何故この時代では子作りせずにまぐわうんだぞ? 娼婦でも連れ込むのか?」
「同じ事アタシも訊いた。お袋は『愛を確かめたり深めたりするため』って言ってたかな」
「……つまり俺は試されてるんだぞ?」
 そうまで言われて据え膳食わぬは男の恥。再びもろはを組み敷いたが、もろはは竹千代の肩を押して起こした。
「何?」
「服皺になっちゃう」
 もろはは言うと、恥ずかしがりもせずに上の服を脱ぎ始める。
「これも外そ。着けて行けって言われたけど苦しくて」
 最後に残ったブラジャーに手をかけた。上手く外せないようで、見かねて竹千代が助けを入れる。
「サンキュ」
「色気もへったくれも無いんだぞ……」
「その割に元気そうだけど?」
 もろはは振り返ると、竹千代の膨らみを服の上から撫でる。堪らず竹千代は押し倒すと、スカートに手をかけた。タイツや下着ごと取っ払って脚を開かせると、やっともろはが恥じらいを見せる。
「み、見るな」
「お前がしてくれって言ったんだぞ」
 竹千代も服が汚れる前に脱ぎ捨てる。変化しているとはいえ、もろはだって好いた男の裸に興奮しないわけがない。
「部屋暗くできない?」
「俺はこっちの道具のことは解らないんだぞ」
 電源を探しにこの姿で起き上がるのは嫌だ。もろはが諦めを見せると、竹千代が前を隠していた手を取り払い、濡れ始めている秘部を撫でる。
「痛かったら言うんだぞ」
「ん」
 入り口はすぐに見つかったものの、なかなか奥に入れない。
「お前、もしかして自分でもしたことないのか?」
「だって爪あるから……」
(それは流石に今日は無理なのでは?)
 竹千代は喉元に出かかった言葉をすんでのところで飲み込む。辛抱強く撫で続けると、つぷり、と指先が入った。
「あっ……んん……」
 奥に進むと、自ら良い所を探すかのようにもろはが腰を揺らす。
「……本当に自分でしたことないんだよな?」
「な、ない……」
 言いながらも腰が浮いている。
(卑猥というか淫乱というか……)
 濡れてはいるようなので、前後させる。
「んっ、あん! あ、竹千代……」
 竹千代はもろはの脇に空いている手をついて、快感に溶ける少女の表情を堪能した。
(普段あんなに色気がないくせに)
 思いつつも、それはそれで竹千代には都合が良い。だってこの妖艶な姿を見られるのが、自分の特権なのだから。

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