宇宙混沌
Eyecatch

子供の遊び [6/9]

 もろはは青空を仰ぎ、腰の辺りにある竹千代の頭に手を添えていた。竹千代はもろはの蕾や割れ目を念入りに舐めている。
(なんなんだよこれ……)
 この行為の意味も目的も解らない。それでも生温い舌が蕾を掠めると快感が走る。
 少なくとも、竹千代が自分に害をなす筈がない。そんな無垢な信頼だけがあり、もろはは竹千代の髪を掬って、ただその刺激に耐えようとした。
「ふぅんっ……」
 竹千代が蕾を吸うと、もろはは腿を擦り寄せる。竹千代は顔を離して、指を添えた。
「痛っ」
「悪い、間違えた」
 入り口ではない場所に指が引っ掛かり、もろはが思わず漏らす。ゆっくり優しく場所を探り、見つけた鍵穴に挿した。
「なっ、何?」
「痛いか?」
「痛くはない……」
(なんだ、これ、ぞわぞわする……)
「んっ……」
 勝手に声が出るのに驚いて、目をぎゅっと瞑り自分で口を塞いだ。
 指の半分まで入れたところで、また少し引っかかる。傷付けぬように慎重に弄り、更に奥へ。根元まで包み込まれたのを確認して、竹千代は少しずつ指先に力を込める。
「もろは」
 今や顔を全て覆って喘いでいる少女を見やる。手を退かし、指を絡ませて口を吸う。
「あ……ん……」
 中で動かすのに合わせて、もろはは竹千代の口の中に吐息を溢す。
「もろは、俺のこと好きか?」
 手を休め、もう一度尋ねる。
「うん……?」
 何度も問われる意味が解らないまま、もろはは同じ答えを繰り返す。
(訊かなければ良かった)
 或いは、否定してくれたら。竹千代は歯を食いしばって己の欲望と戦う。
「なんで?」
 もろはに問われて顔を上げる。
「なんで竹千代は辛そうなんだ?」
「……悪い事をしているからだぞ」
「良いじゃん別に。皆には黙ってたら良いんだろ?」
 もろはの空いている方の腕が竹千代の背に回る。
 竹千代はそれで、引き返せない道を進むことを決めた。獣兵衛の言う通り、それが更なる不幸に続いていたとしても。

 川辺に響くもろはの嬌声が止むまでに、どれくらい時間が経ったのだろう。陽の位置からして四半刻も経っていないようだが、それが竹千代には嘘のようだった。背徳感と罪悪感に苛まれながら、狭いを通り越して痛いもろはの中で果てるのは至難だったから。
 だったら止めれば良かったのに。正論は後から出てきたって何の役にも立たない。それに、初めの痛みに耐えなければ、いつまで経っても快楽など得られないままだ。竹千代は自分の行為を肯定してくれる言葉を選ぶ。
 もろはは起き上がると、股から流れ出る液体を指で掬った。少なくない血が滲んでいる。
「これが初潮?」
「違うんだぞ」
「違うんだ」
「本物が来たら教えてほしいんだぞ」
 もろはの手を引いて川に入る。紅も白も透明に溶けて消えた。
「良いけど、なんで?」
 竹千代は逆に質問をする。
「自分が何をされたのか解ってるのか?」
「んー、ちんちん入れられた」
(これは解ってないんだぞ)
 竹千代は頭を抱える。
「お前が女になったら全部教えてやる」
 意味が解って許せなくなったら、寝首でも掻けば良い。

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