宇宙混沌
Eyecatch

第7章:陸に上がった海賊 [1/3]

「犬夜叉くん何て?」
「今夜は井戸を見ているそうです」
「そう。かごめの部屋の窓だけ開けておこうかしら」
 再び居間に布団を敷く。おいらは昨日読めなかった漫画を手に取った。
「今日は疲れてないの?」
「とわ様がお好きなんでしょう? おいらも話が気になります」
 本当は少し横になりたい。だが、早いところ此方の世界の作法を身に付けなければ。
 犬夜叉は真っ向からおいらの計画に反対した。無理矢理止められる前に、先手を打っておく。
「感想聞かせてね。おやすみ」
「おやすみなさい」
 天井から吊り下がっている明かりを消す。とわ様の頭を撫でて寝かしつけると、おいらは本ではなく、机の上に置かれたままのパソコンを開いた。

「うっかり寝ちまったぜ……」
 俺は目覚めると、着物に押し付けてしまっていた顔を揉んだ。母屋に戻る。
「叔父さん……」
 居間ではとわが、一枚の紙切れを手にそわそわしていた。
「理玖の行き先に心当たり無い?」
「理玖の行き先?」
 紙切れを寄越してきた。理玖からの書き置きで、「少し出掛けます。日が暮れるまでには戻ります」とだけ書かれている。
「井戸の方には来なかった?」
「ああ。いつから居ねえんだ?」
「明け方には居たと思うんだけど……」
 ただの散歩ではなさそうだな。それならそう書くだろうし、気配が感じられないほど遠くまでは行かないだろう。
「パパから貰ったお金、半分理玖に渡してあったんだけど、それも持って行ったみたいなんだ。あと、パソコンに匂いが付いてたから、調べたら検索履歴があって」
 後半は意味が取れなかった。説明し直してもらうと、理玖はある場所の位置を地図で確認していたらしい。
「でもそこ、普通の家族向けマンションなんだ。学校から遠くないし、希林先生に縁のある場所とかなのかもしれないけど、独身の先生の自宅にしては広すぎるっていうか……」
 首輪でも付けておくべきだったな。だが、後悔先に立たずだ。俺はとわの頭をぽんぽんと叩き、落ち着かせる。
「あんまり心配すんな。帰ってくるつもりはあるみてえだしよ。此処には襲ってくるような敵も居ねえし、理玖なら大抵の事は避けるか勝てるかするだろ」
「襲ってくる心当たりは、あるんだよねえ~……」
「昨日の喧嘩の相手か?」
 とわは頷き、そのまま顔を下に向ける。俺は頭をぼりぼりと掻いた。このとわもろはが見たら、「親父~助けてやってくれよ~」って言うだろうな。
「わーったよ。一緒に匂いを追うぞ。適当な服貸してくれ」

♥すると著者のモチベがちょっと上がります&ランキングなどに反映されます。
※リストへの反映には時間がかかります。

Written by