宇宙混沌
Eyecatch

第2章:楽園喪失 [2/4]

「そういえば、私のことは周囲にはなんて?」
「中学も不登校のまま卒業して、今はあんまり訊かれることも無いけど、海外に留学してるってことにした」
「そっか。死んだことにしたかと思った」
 とわ様は紅茶を飲み、おばあさまが持ってきてくれた菓子を齧る。
「いつかはそうしないとね。でも、かごめ姉さんのことも未だに『秘境に嫁いだ』で通してるし」
「ま、でもそれなら外出歩いても大丈夫だね」
「何処か行くんですか?」
「何処にも行かないの?」
「おいらには馴染みが無い場所ですしねぇ。また井戸が通じるまで神社の中で大人しくしてようかと思ってたんですが」
「御神木も井戸も気まぐれだからなあ。姉ちゃんがあっちに行った後、とわがこっちに来るまでは何年も開かなかったし」
「ていうか、最初に私がこっちに来たのは虹色真珠の力で、御神木も井戸も関係無いしね」
「え、最悪こっちで骨埋めろってことですかい?」
「流石にそれはないかな。私も理玖も寿命長いし、生きてる間に戻れはするでしょ。多分……」
「こっちの世界で不老を誤魔化しつつ生きるのが大変なのでは」
「それはそう」
 会話するだけで疲れてしまった。草太がおいらにも茶を勧める。さっきも飲んだが、少し眠れないくらいなら良いだろう。
「どう? 美味しい?」
「とわ様はこっちの方がお好きなんですよね」
「ダージリンの方が口に合ったか」
「気付いちゃいました?」
「心が通じてる感じがして良いわねぇ」
 おばあさまも自分で一杯淹れる。
「そういうこと言われたの初めて」
「とわ様は鈍感ですからねえ」
「御主人様へのサプライズプレゼント選びに大失敗した理玖に言われたくないです~」
「あー……。虹色真珠の話はもう止めましょう」

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