宇宙混沌
Eyecatch

夢は終わる、愛は死なず [2/8]

 み、見てはいけないものを見てしまったんだぞ。
 俺は深夜に物音がして目が覚めた。戸が閉まってない場所があるのかと思って近くを見回っていたら、理玖様が桶を手にもろはの部屋に入って行くのが見えた。
(ひ、ひえ~! まさかお手付きの話が本当だったとは! しかもとわじゃなくもろは!? あの桶一体何に使うんだぞ? ハッ、理玖様は水が出せるから、ヤッた後に体を清める為なんだぞ。絶対そうだぞ~)
 俺はその場で体がカッチコチになった。
(いや、理玖様に限ってそんな……でも本当だったら俺、これから理玖様のことどういう目で見たら良いんだぞ……?)
 あんなにとわのことしか眼中に無い素振りを見せておいて!? もう何も信じられないんだぞ。
 こうなったらこの目で確かめる! と意を決して、俺はもろはの部屋の戸の隙間から目を凝らした。
 部屋の中では、二人が寝台に腰掛けて身を寄せ合っていた。理玖様はもろはの解いた髪の毛を弄んで、微笑んでいる。
「何笑ってんだよ」
「ちょいと懐かしい気持ちになってね。……そろそろ良いんじゃないか?」
 そのやり取りを聞いて、俺は一目散に自室に戻った。
 は!?!? もろは涙声だったんだぞ!! 懐かしい気持ちって何だぞ!? そろそろ良いとは!?
 はーこれは本当にまずい。どう見ても理玖様がもろはを汚そうとしている場面だったぞ。
「もろは……」
 俺は無意識に自分の顔に手を当てていた。
 そりゃあ、理玖様は良い男なんだぞ。血はあの麒麟丸と同じだし、お金も人脈も持っているし。何よりもろはと同じ人間の姿で、その中でも頂点に近い美貌……誰だって虜になるんだぞ。
 頭ではそう解っているのにもやもやもやもやして、その日は一睡もできなかった。

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