地獄の先は天国 [5/5]
「あんっ、すごい、やあ、そこ……」
密の滴る壺に指を二、三本も入れてやれば、とわはすぐに正気を失った。白い胸に何個目かの花弁を散らしてから、その顔を見る。おいらしか見えていない。
「此処?」
「あっ! ああ……だめ、りくぅ」
この善がり方、初めてとは思えねえな。それとも慣れた女はもっと凄いのか?
見つけた弱い所を押し続けると、とわはやがて一際大きく震えて四肢から力を失う。指を締め付ける力はそのままだ。
「指だけでも十分です?」
「はっ……はぁ……そんなこと、なっああっ!」
答えている途中で、とわの膨らんだ蕾を撫でる。指が触れただけで腰を弓なりにして。
「まだ乱れられるんですかい?」
もっと壊れられるんですかい?
「ん……キスして」
とわは完全に愛慾に溺れている。脈絡無く強請られたそれを唇に落とす。唇を離す時にとわが泣いている事に気付いて、溢れた涙を指で掬った。
「とわ様」
張り詰めた欲望が早く吐き出せと焦らせる。吐き出せなかった頃よりも熱い。
いよいよ挿れる為に指を引き抜いた。代わりに膨らんだ熱を宛てがって、一気に貫く。
「あっ!?」
「痛かったですかね」
「ん、ちょっと……」
とわがおいらの腕を撫でるようにしてから、首に抱き着く。ゆっくりと波打つように締め付けるとわの中が慣れるまで待った。
「動きますよ」
「……優しくしてくれるんだね」
「とわ様が言ったんじゃないですか」
「理玖は滅茶苦茶にしたいって」
「それはもうとっくに」
とわ様の瞳を覗き込む。そこにはおいらしか写っていない。
「ああでも、まだ乱れられるんですよね」
意地悪に言って、中の物を素早く一往復させた。奥を叩くと同時に、とわが呻きのような声を上げる。
「理玖、もっとゆっくり――!!」
二度、三度と先程と同じ速度で打ち付ける。中が震えてどんどん締まってくる。とわが恥ずかしがって口を塞いだ手を取り、寝台の上に押し付ける。言葉にならない声がおいらの耳朶を悦ばせた。
「とわ様」
おいらもとわの事しか、もう見えなかった。
「とわ様、愛しています」
「あっ、んっ、わた、しも……」
とわが強く強く締め付けた時、おいらも果てる。ずっと行き場の無かった愛を与える先を見つけて、おいらは幸福の中、目を閉じた。
なお、二人して寝坊し、もろはに暫くダシにされた話は、また別の機会に。
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