宇宙混沌
Eyecatch

地獄の先は天国 [3/5]

 何だそれは。再度言葉にしてみて、その意味を訝しんだ。
 とわに求めてもらいたい。おいらだけを見てもらいたい。そんな事を望んだのは初めてだ。だっておいらは、望まれなくなる事を望まれて生まれた存在。
「……おかしな事を言いました。忘れてください」
「忘れないよ」
 とわは手に力を込め、緩んだおいらの拘束から抜ける。
「別におかしくもないよ。ただ、そうしてもらいたいなら、ちゃんと言ってくれなきゃ嫌だな」
 とわは散らかった服をかき集め、身に着ける。
「何を?」
「んもー。鈍感っていうか初心っていうか。答えを教えても意味無いから、自分で探して」
「へえ」
 服を整えると、とわは立ち上がる。
「正解したら、その時は理玖のしたいようにさせてあげる」
「本当ですかい!?」
「二言は無いよ。でもそれまではお触り禁止」
 言ってとわは帰ってしまった。おいらは、まだ顔や手に残る熱を冷まそうとそれらを夜空に向けたが、体の中に滾る熱は煌々と燃え盛り続ける。
「それまで地獄で煮えていろってことですかい」
 気が触れてしまいそうだった。けれど、楽園への道の片鱗を見た気がした。
 ならばこの地獄、耐え切ってやろうではないか。

 愛しています。
 きっとこれが正解だ。そう思った時には、おいらはとわを抱き締めるための腕すら失っていた。

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