宇宙混沌
Eyecatch

第2章:二人の里帰り(後編) [6/8]

 半刻後に竹千代は戻ってきた。洗ったのだろうか、着物が所々濡れている。
「……早かったな」
 竹千代は黙ってアタシを抱き締める。啜り泣く音が聞こえて、アタシも竹千代を抱き締め返した。
「全部終わった」
「よく頑張ったよ」
「もう日向には二度と戻れないんだぞ」
「何言ってんだよ。アタシ達、最初から日陰者じゃねえか」
「もろは……」
 竹千代が口を寄せた。唇を突くので、舌を受け入れてやる。一滴入り込んだのか、涙の味がした。
 竹千代はそれを味わうようにアタシの舌に絡ませながら、手を下にずらして腰を撫でる。
「んっ! 此処でするのか?」
「嫌か?」
「嫌じゃないけど」
「けど、何」
「……そんなにがっつかなくても、アタシはずっと竹千代の傍に居るよ」
 竹千代は瑠璃紺の瞳でアタシの目をじっと見つめる。やがて息を吐いて、アタシの肩口に顔を埋めた。
「半分は本当だったかもだぞ」
「何が?」
「父上が母上の後を追った話。俺、お前が死んだ後どうしたら良いんだぞ」
「今から縁起でもないこと言うなよ。そんときゃそんときで、他の嫁さん貰えよ」
 アタシが生きてる間は嫌だけど、死んでからなら。竹千代が独りで震えているよりずっと良い。
「それこそ、子供とか居たら寂しくないんじゃねえか?」
 竹千代は顔を上げる。またあの見慣れない表情じゃん。慰める為に言ったんだけど、また煽っちまったか。
「孕むまで抱き潰すぞ」
「やってみろよ」
「妖怪の体力を舐めるんじゃないぞ」
 竹千代が脇あきから手を入れた。まだ濡れても開いていないことを知ると、割れ目に沿って指を前に移動させる。
 何かに当たって、思わず体を震わせた。そこが弱いと知ると、しつこく擦ってくる。
「あっ……竹千代! やっ、そこやだっ!」
「今はゆっくり慣らしてやる余裕が無いんだぞ」
 嘘つけ、言い方が余裕ありまくりだろ!
 あっという間に頭が真っ白になって、腰が抜ける。竹千代に凭れかかって、息を整えようとした。
「んっ?」
 竹千代はアタシを背後の木の幹に押し付ける。それから屈んで、片膝の裏に腕を回した。そのまま持ち上げられると、短袴の裾から中が覗ける。
「ちょっ……恥ずかしいって」
「今更。この前全部見たんだぞ」
「なんか! この格好の方が恥ずかしい!」
「恥じらってくれてる方が可愛いから俺は良いんだぞ」
 竹千代はアタシの脚を抱えたまま、もう一方の手で硬い膨らみを出す。それで腿を撫でるように袴の中に入れられた。
「あっ、痛……」
「流石に二回目じゃすぐには入らんか」
 空いている方の手が、再び脇あきから入ってくる。指一本から初めて、今日は二本目もすんなり入った。十分に解してから、竹千代が入ってくる。
「あっ、ああっ、竹千代!」
「何だぞ?」
「んっ……あっ、あん……」
 片足立ちで木に押し付けられているもんだから、竹千代が与える刺激から逃げられない。思わず名を呼んだけど、この前と違う所に当たる塊がそれ以上言葉にするのを阻む。
 しがみついたアタシの首に、竹千代が口付ける。暫くして果て、脚を放すとアタシ諸共地面に寝転んだ。腰の紐を解かれる。
「本当に孕むまでやる気かよ……」
「そんなすぐに判らないんだぞ。飽きるまでやる」
「そんなに焦らなくてもアタシは逃げないって」
「船に戻ったらそう簡単に激しいのは出来ないんだぞ。俺は理玖様と違って嫁の痴態を晒したくはないし」
「えっ」
 つまり激しくすんのかよ、という前に、再び中で膨らんでいた物が強引に引き抜かれた。唐突な刺激に悲鳴が出る。
「大体お前、出し入れするだけでこれとか声が大きいんだぞ」
 アタシの袴を剥ぎ取り、再び竹千代が宛てがう。ゆっくりと押し入ってきた。
「初々しくて可愛いけど、もうちょっと慣れてほしいぞ」
「あっ、その、可愛いって、言うなぁ!」
 きゅう、と締め付けが強くなるのが自分でもわかる。
「出し入れするだけって……他に何があんだよっ」
「それを今から教えるって言ってるんだぞ」
 耳に息がかかる近さで囁かれた。竹千代は耳たぶを食みながら、ぐりぐりと奥を抉るように押す。それに応えるように、アタシの中で何かが下に下りる感覚。
 顔を離して、竹千代の手がアタシの髪を掬う。アタシの手をその甲に重ねた。
「怖いか?」
 自分の全てを呑み込まれる様な気分。繋がった場所はまだ互いに膨らみ締め付ける。
「……ううん。教えてくれよ」
 思えば、算数も難しい字も、全部竹千代が教えてくれたんだよな。危ない客の嗅ぎ分け方とかも。ある客に乗せられて脱がされそうになった時は、獣兵衛さんに化けて出てきて追い払ってくれたっけ。
『お前ほんと危なっかしくて目が離せないんだぞ!』
『ごめんごめん。助けてくれてありがと』
『礼を言うくらいなら、さっさと借金返して自由の身になるんだぞ』
 そしたら誰がアタシを導いてくれるんだよ。寂しくなって尋ねた。
『その時は竹千代も一緒に行こうよ。お前別に借金あるわけじゃないだろ?』
『……取らぬ狸の皮算用だな。借金返す目処つけてから言え』
 ごめんな竹千代、答えられないこと訊いて。でも、これからはずっと一緒だ。
「さっきはあんなこと言ったけど、声、別に我慢しなくて良いからな。爪立てたりするのも」
「竹千代が怪我するだろ」
「俺は妖怪なんだぞ。俺より自分の心配しろ」
 奥で止まっていた竹千代が一往復する。この前よりしっかりと互いの形に沿って密着していた中は、強引な動きに熱を上げた。再び納まった竹千代を、蜜を増やして包み直す間、口からは溢れた快感が言葉にならない声になって漏れる。
「……こういう時は妖力で痛みや快楽[けらく]を和らげれば良いんだぞ」
「だって、それじゃ取り零しちゃうじゃん」
 竹千代がアタシを全部味わいたいなら、アタシだって竹千代がくれるものを全部受け取りたい。アタシは竹千代の顔を引き寄せて口付けた。
「……お前本当に煽るというか、強請るの上手いんだぞ」
 竹千代はアタシの胸元を[はだ]けると、何度も肌を吸った。
「俺以外にその顔するんじゃないぞ」

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