宇宙混沌
Eyecatch

第9章:一緒に帰ろう


[ほど]けている」
「え? ほんと?」
 驚いた顔でせつなに言われ、慌てて帯を確認するが、ちゃんと締まっている。
「解けてないよ~?」
「すまない、見間違いだったようだ」
 私は母上とせつなの間に座り、夕餉を食べる。
「理玖はどうした」
「外でご飯食べてる」
「殺生丸様と仲直りできたかな?」
「今頑張ってる感じ」
 半分ほど食べたところで、切り出す。
「あのさ。やっぱり私、理玖と一緒に船に戻ろうかなって」
「それが良いだろうな」
 意外にも背中を押したのはせつなだった。
「父上も仕事に戻られる。元々父上の存在を当てにしていたのなら、理玖の側に居る方が安心だろう」
「確かに、それはそうかも」
 せつなは汁物を啜ってから、すました顔で呟いた。
「私も一緒に行っても良いぞ」
「本当!? あっ、でも母上は……」
「かごめ様達もすぐそこに住んでるし、こっちは大丈夫~」
「決まりだな」
「おいこら何勝手に決めてんだ」
 話が終わったらしい理玖が入ってくる。腕を組んでせつなと睨み合った。
「独り身の姫様は花嫁修業でもした方が良いんじゃないですかい~?」
「私は別に男に興味は無い」
「うわ、翡翠かわいそう……」
 呟いた声は二人の言い争いに掻き消される。
「若い夫婦の初々しい時間に茶々入れようとは粋じゃねえな」
「何が若いか、お前は父上と大差無いであろう。第一、子を産む時、お前一人が付き添いではとわも心許無いだろう」
「折角だしもろはと竹千代も誘おう~。翡翠も呼ぶ?」
「とわ様まで!」
「だって多い方が楽しいじゃん」
 私達の様子に、母上が笑いだす。父上達も中に入ってきた。
「まーたせつなと理玖は喧嘩しとるんか」
「喧嘩するほど仲が良いってやつだよね」
「「良くない!!」」
 あまりにも息ぴったりで、私もお腹を抱えて笑いこける。
 嬉しくて、楽しみだった。私の大好きな人達と、大好きな海に戻れることが。

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目次

  1. 実家に帰らせていただきます
  2. 父親
  3. Never come true
  4. 貴方だけのお姫様
  5. 言い訳できない
  6. ましな方の地獄
  7. 一角の甪端
  8. 溺れていたのは
  9. 一緒に帰ろう

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