宇宙混沌
Eyecatch

その命はもう愛だ [1/4]

「こんにちはー」
 聞き覚えのある声に玄関に向かうと、そこには翡翠が包みを手に立っていた。
「ああ、とわ。久し振り。元気そうだな」
「お陰様で。今日はどうしたの?」
「今夜は朔だろ? 俺、今日は仕事で付き添えないから。せつなは?」
「えっ!? いつも付き添ってるの?」
「ああ」
 聞いてない聞いてない! せつなってば、男に興味無い~とか言っときながらちゃんと進んでるんじゃん!
「裏で洗濯してる。呼んでくるね」
「頼む。これは皆で食べてくれ」
 私はありがたく受け取って、せつなの所に走り出しそうになるのをすんでのところで自重した。最大限の速歩きで裏へ回る。
「せつな! 翡翠が来てる!」
「まだかかる。翡翠は仕事だろ。待たせず行かせてやってくれ」
「えー冷たい! ちょっとくらい挨拶しなよ!」
 手を濡らしたままのせつなを強引に連れて行く。翡翠がせつなに別れを告げるのを見届けてから、再度せつなを捕まえた。
「で、朔の夜に付き添ってるってどういうことなの?」
「どうもこうもない。言葉通りだ」
「部屋に入れてるってこと!?」
「そりゃあ、一晩中外は可哀相だろう。翡翠は人間なんだし」
 洗濯を手伝いながら、まだまだ質問攻めにする。
「ほえ~。よく父上が許してるね」
「父上は翡翠のことを気に入っているようだからな」
「そうなんだ」
 そりゃそうか。翡翠ってパッとするタイプじゃないけど、悪いところは特に無いからね。性格良いし、実は結構イケメンだし。色々前科がある理玖とは比べ物にならないくらいの善人だし。
「……せつなもやることやってんじゃないの~?」
「何故そういう話になる」
「だってぇ~。年頃の男女が夜中に同じ部屋とか!」
「同じ部屋ではないぞ。琥珀[おかしら]も一緒に来たことあるし」
「ああ、そうなの……」
 てっきり寝室に連れ込んでるんだと思った。
「朔の日に父上が居るとは限らないからな。今日は理玖が居るから仕事を優先したのだろう」
「お呼びですかい?」
「呼んでない」
 瞬間移動で理玖が現れる。せつなは眉間に皺を寄せた。
「しかし丁度良い。今夜はたっぷり働いてもらうからな」
「構いやせんよ。姫様達の用心棒ですね」
「いや、今夜はもろはと叔父上達も来る。父上も翡翠も居ないからな」
「いつでも遊びに来てもらって良いのにね」
「そうもいかないのだろう」
 父上は、ああ見えて優しい。もろはかごめさんが気安く呼んでも怒ったりしない。けれど、それは犬夜叉さんには通用しない。
「まあでも、犬夜叉さんとゆっくり話したことないし、楽しみにしとこ」
「何も無ければ良いがな」

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