宇宙混沌
Eyecatch

この人生は決まっている [3/4]

「匂いは同じだけど、髪の色は変わった?」
「希林もそうでしたが、成長環境なんかで変わるみてえですね。目の色も前より明るい気がします」
「鏡あるの?」
「ええ、そこに」
 掛けられていた布を妖術で落とせば、大きな鏡台が現れる。そこに写っているのは、股を開いて頬を染め、胸に幾つもの吸い痕を付けた少女と、その背後から己をねじ込み、今度は色白の首筋に口吻を落としている緑の目の男。
「あっ、は、恥ずかしいから良いよ……」
 とわ様がおいらの首に回していた腕を下ろし、胸を隠そうとした。その前に、歳の割に豊満な乳房を掴めば、中が震える。
「術で布をかけ直す程器用じゃありやせんね」
「嘘つけ刀は自由自在のくせに、あっ」
 腰を掴んで下から突き上げれば、可愛らしい嬌声が上がった。
「鏡を見るのが嫌なら、おいらを見てれば良いんですよ」
 一度引き抜き、布団の上で組み敷く。穿たれるのは怖いのか痛いのか、再び繋がる瞬間のとわ様はきつく目を瞑ったが、ゆるゆると中を撫でてやると瞼を上げ、接吻を強請ってくる。
「とわ様、初めてではないんで?」
「初めてだよ!」
「その割に慣れてらっしゃるようでしたので」
「疑ってるの!?」
「そんなことは。痛くないのならそれに越したことはありやせんし」
 腰を下ろし、深く奥を抉る。おいらの背中に回った腕と入り口がきつく締まる。思わずおいらも声を漏らした。
「そういう理玖だって初めてじゃないでしょ!」
「『理玖』としては初めてですよ。ただおいら、角が折れる前の麒麟丸の記憶はありやすんで、知識としては、ね」
「そうだった……」
 少し抜いて、また中を押す。一頻り善がってから、とわ様は呟いた。
「つまり前の奥さんのことも覚えてるってこと……?」
「おいらの伴侶じゃありやせんよ。麒麟丸のです」
「その人のことはどう思ってるの? 今何処に居るのか知らないけど、寂しくないの?」
 その質問を自分がされるとは思わなかった。否応にも昔の記憶が蘇る。
「……今はパライソに。とわ様、二人の愛を確かめる時間には、ちょいと野暮な質問ですぜ」
「ごめん……」
 生きていてほしかった。自分も誰かにそう思った事があった。正確には自分の感情ではなく、麒麟丸の想いが脳裏に焼き付いているだけの、ただの情報でしかないが。
「謝るのはおいらの方ですよ」
 何度目かの謝罪を口にして、そのまま口付ける。飽きるまで舌を絡めて、離せばとわ様の口の端から涙のように滴った。
「そろそろ出したいんですが」
「中にして良いよ」
「孕みますよ?」
「生で挿れちゃっただけでも妊娠の可能性はあるんだよ。今更変わらないよ」
「そうなんですかい」
 話しながら往復を繰り返せば、最早まともな判断力は無い。
「とわ様、おいらとの子が欲しいんで?」
 答えは無い。ただ頬を染めて、視線を逸した。
「嬉しい限りです」
 顕になった首筋に口付けて、一層激しく打ち付けると、とわ様ももう意味のある言葉は出せない。とわ様の中がきつく締まって震えたのと同時に、ありったけの愛を吐き出した。

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