スツルムの上客 feat. Drang [3/6]
長めの単独行動の後、久し振りに会った彼女は少し顔色が悪く見えた。
「どうしたの? スツルム殿の方から僕に連絡くれるなんて」
人気の無い森の中の道。今にも魔物が襲いかかってきそうだが、スツルム殿との密会を邪魔されたくないので予め片付けておいた。
「少し痩せた?」
「またあたしを買ってほしい」
……そうだと思った。
「僕との約束守ってくれてるんだね! 嬉しいなぁ。良いよ! 幾ら?」
「幾らって……」
「言い値で買ってあげるよ。まぁ僕の所持金の範囲内で」
「相場通りで良い」
「そう?」
僕は約束通り、前回と同じ額を財布から取り出した。
「……いや、だから相場で……」
「他の人に営業しないでって言ってるのは僕なんだから、約束は守るよ」
「それの半分で、良い。その代わり、金に困ったら回数を増やすから」
その提案に少し眉を顰める。まさか行為の方が目的か?
これは、あれか。幼い誘拐被害者が育ててくれた加害者に愛情を感じてしまうアレ。
「スツルム殿」
僕は無理矢理札束を握らせる。
「自分を安売りしない方が良い」
「ドランク……」
お前良い奴だな。内心スツルム殿はそう思ったに違いない。
でも、僕はそんなに良い男じゃないよ。君の事を買っている時点でね。
道を外れ、スツルム殿を森の茂みの中に連れて行く。太い木の幹にスツルム殿の背中を預けさせ、屈んで左脚を掴んだ。
「な、何を……」
「今日は今すぐしたいな。脚、僕の腕にかけられる?」
「此処でするのか!?」
「大丈夫、脱がなくて良いから」
言ってスツルム殿の服の、股の下に少し開いた場所に指をかける。
「トイレする為に開くようになってるでしょ? 此処」
広げて指を滑り込ませただけで、頭上から甘い声が降ってくる。
「あっ……でも、魔物が……」
「此処に来る途中でやっつけといたよ。スツルム殿も道中遭遇した分は倒したよね?」
指の本数を増やす。相変わらずの締まりに興奮した。スツルム殿は声を抑える為に右手は自分の口に、もう片方の手は片足立ちでバランスが悪いので僕の肩に。
服を大きくずらし、舌先でスツルム殿の核を舐める。
「あっ! やだ、そこ、汚い!」
「汚くないよぉ。それに禁止プレイの条件は聞いてないよ? もちろん危ない事はしないけどさ」
左脚を下ろしてやる。僕は立ち上がって、耳元で囁いた。
「僕ちゃんとお金払ったじゃない?」
「……好きにしろ」
許可を得てニタリと笑う。ズボンを緩めてスツルム殿の中に入ろうとした所で、思い出した。
「中出しは嫌なんだっけ? 僕その辺の拘りは無いから嫌なら外に……」
「そういう訳じゃない」
怒った様な声で否定される。なんとなくこの前泣かれた理由が解った気がしたが、気付いていない振りしか出来なかった。
「そっか。じゃあこれからも中に出すね」
だって種族の違いなんかどうにもならないじゃないか。
「なんでお金なくなっちゃったの?」
「……仕事が無い」
スツルム殿の腰が砕けるまで抱いて、歩けるようになるまで休ませた後。僕達は近くの山小屋で身を寄せていた。町まで帰る事も出来たと思うけど、なんとなく。
「仕事が無い!? スツルム殿の腕がありながら?」
「雇い主の顔を覚えるのが苦手なんだ……」
「なるほどねぇ」
リピーターを作れてないって事か。客の顔は覚えるのにね。
「じゃあ、普段は僕と一緒に居なよ。僕の取引相手に紹介してたら、そのうち向こうが覚えてくれるって」
「お前と……?」
「えぇー、なんでそこで嫌そうな顔するの……」
「言い方が気に障った」
「理不尽!」
スツルム殿が繰り出してきた剣を慌てて避ける。スツルム殿は溜め息を一つ吐き、剣をしまった。
「スツルム殿」
再び隣に座る。
「やっぱりおっぱいも揉みたいなぁ~」
「ん」
差し出された手に幾ら握らせるか考え、また約束の満額を渡す。
「おい、揉むだけじゃないのか」
「揉んでたら大っきくなっちゃうからね! 今度はお口でしてくれると良いな~」
言って唇を指で押すと、スツルム殿が顔を赤らめる。突き返される前に札束を彼女の服の中に押し込んで、僕はきつく結ばれた唇に口付けた。
彼女が望むのは仕事とお金と、誰かとの繋がり。僕が与えられるのは、仕事とお金だけだよ。
それを教え込むかの様に、僕は嫌がるスツルム殿の頭を掴んで、強引に口の中に出した。
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