「僕、君の事、心から愛してるんだ」
跪いて捧げた言葉は嘘ではなかった。一方で、嘘つきな自分が吐く言葉を、スツルムが簡単に信用する筈が無いとも解っていた。
だから彼女が振り向いてくれるまで何度でも言おう。そう決意し、勇気を振り絞って伝えた想いを、案の定スツルムは拒絶した。
「ばっ、馬鹿じゃないのか!? 相棒を懐柔したって何の得にもならないぞ!」
「本気だよ」
「ならまず煙草をやめろ」
スツルムにしては悪くない反応だ。ドランクは禁煙については確約せず、彼女におやすみを言うと自分の部屋へと戻った。
明日の仕事が終わって宿に戻ってきたら、また同じ事を繰り返そう。何度囁いたって、何度突き放されたって、この想いが届かぬ事に苦しみこそすれ、磨り減る事なんて無いんだから。