「あーあ。応援はしてたけど、いざ取られちゃうと寂しいねえ~」
「応援してたんですか」
ヴォルケはドナに疑いの視線を向けた。
「二人を煽って遊んでるだけかと思ってました」
ドナは手をひらひらと振って笑う。
「やだねぇ~人聞きの悪い。可愛い後輩の恋路の面倒を見たって良いじゃないか~」
「はいはい」
二人がバルツを去ってから数ヶ月。時々スツルムが手紙を取りに来るが、まあ仲良くやっているらしい。
「コンビとしても、実力を考えれば組むべきして組む事になった感じですしね」
「ね。これからもっと遠くに行ってしまうんだろうよ」
「私はこれからもドナにお伴しますよ」
「嘘でもそう言ってもらえると、ありがたいね」
「ドランクと一緒にしないでください」
笑い声が響く。その頃遠く離れたとある島で、青い髪のエルーンがくしゃみをした。