宇宙混沌
Eyecatch

第5章:美男を脱がせたいジータちゃん


本編

「……おい、おい! ったく……」
 夢の中で誰かが私に悪態をついた気がした。でもそれは不思議と嫌な気持ちじゃなくて、ふわり、と体が宙に浮いたような感覚と共に、その言葉は優しい温もりの中に溶けていった。

「ん?」
 朝目覚めると、自室のベッドの上だった。おかしいなあ、食堂でグランサイファーが島に到着するのを待っていたのに。
「ビィ、ねえちょっと、ビィ!」
「ん~~~なんだよぉ」
「誰が私を運んできてくれたの?」
「んん……ラカム……」
 そう言うとビィはまた、自分の寝床ですやすやと二度寝してしまう。私は自分の両頬をパチン、と叩いて気合を入れた。
 この騎空団で、グランサイファーを操舵できるのはラカムだけ。自動操縦機能も無いから、空に居る間は基本的に、ラカムはずっと操舵室に居る。トイレや食事の間くらいは、オイゲンや他の皆が計器の様子を見るくらいはしているけれど、用が済んだらラカムは操舵室にすっ飛んで行って、また操縦桿を握っている。
 だから、基本的に夜間は空を飛ばない。それでも朝早く出発したって、次の島への到着が夜遅くになる事も珍しくなかった。そして、昨日はそういう日だった。
 日付が変わる頃まで、島に着くのはまだだろうかと食堂の窓から夜空を眺めていた記憶はある。着いたらラカムを労ってから寝ようと思っていたのに、結局寝落ちしていたみたい。
「おはようジータ」
「おはよう」
 朝食を食べにまた食堂に向かうと、途中でルナールに会った。
「あれ? 脱稿したの?」
 ルナールはこの所、ずっと自室に篭っていたので、随分久しぶりに感じる。
「そうなのよ! でも、画材が切れちゃったから買いに行かなきゃ」
「じゃあ朝ごはん食べたら一緒に行こ!」

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