宇宙混沌
Eyecatch

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 結局思っている事の半分も伝えられなかった。
 好きだ。好きでいてくれ。抱いてほしい。他の女を抱かないでほしい。
 あとは察しの良い相棒の解釈を信じる他ない。
 角に口付けが降ってくる。続いて涙が流れた目元に。それから唇に。
 唇には二回目があって、そこから舌が絡みついてきた。歯を磨いた後なのにどこか甘い。
「んん……」
 熱を帯びた掌が服の下を這ってきて、胸の先端に刺激が走る。思わず仰け反って、すかさずドランクは固くなったそれを再び押し付けてきた。暫くはお互いに良い所を擦り合う。
 唇を離すと糸が引いた。ドランクはそれを舐め取ってから服を脱ぐ。あたしの寝間着も剥がされた。
 頭がぼうっとする。真っ暗な方が触覚が敏感になりそうで、灯りを消してくれとも言えない。なのにぼんやりと浮かぶシルエットが、更に気持ちを酔わせていく。
「男は獣って言ったけど」
 存外太い指が下腹部を撫ぜる。
「女の子も人間である事忘れないと繋がれないからね」
 既にシーツに滴るほど濡れている隙間に入って来る。自分のものと思えない鳴き声。腰より下が意思とは裏腹に暴れ出す。
「感じるの上手だね。指増やすよ」
 たった二本でも、既にあたしが自分でする時よりも太い。快感以外が混じり始める。
「大丈夫?」
「うん……」
「三本目いくけど」
 ちらり、とドランクの下半身を見遣る。中に入れるのに都合良く造られている筈のそれは、どうしてか挿入を躊躇わせる形と大きさをしている。何処かで聞いた。先に吐かれた精を効率良く掻き出す様に進化したんだっけ。
「……大丈夫だ」
 そんな事、ただ一人にしか許さないから意味が無いのに。
「無理はしなくて良いからね」
 言いながらも手付きは強引に割り入るものだ。締め付けはドランクの指にもしかと伝わっている筈だが、ドランクは先程得た弱い所の情報を正確に覚えていてなぞり、己を埋める為の空間を確保していく。
「もっと声出して大丈夫だよ」
 空いている方の手で口元を撫でられ、開いた隙間から声が漏れる。ドランクの金の瞳が恍惚とした表情を浮かべながらあたしを見る。
「あっ……!」
 急に核を触られる。既に敏感になっていたので、少し押されただけで達してしまった。
 頭の上から爪先までゆっくりと広がる快楽に浸る。ドランクが確かめる様に肌を撫でる度、びりびりと信号は強まって、頭を真っ白にした。
「ひくついてる。こっちがほしいんだよねえ~」
 ドランクの劣情が、達して熱を帯びた核を掠めて、痛みに近い強い快感が走る。もう上がる声を恥ずかしいと思う事も抑える事も敵わない。
「嬉しいなあ。一番好きな人に求めてもらえて」
 そのまま肉を押し退ける質量に息が詰まる。初めはゆっくりと、しかし先端が収まったところで一気に奥まで突かれた。押し出される様にまた声が出て、それからドランクの口付けが何度も何度も降ってきた。

闇背負ってるイケメンに目が無い。