宇宙混沌
Eyecatch

嫌と言うまで [1/7]

 三回目の口付けで、奴は舌を尖らせた。
 あたしの下唇を押すように舐めて、ほんの少し開いた隙間から滑り込む。どことなく甘く感じる唾液で、頭がおかしくなりそうだった。
「……スツルム殿」
 暫くの後、顔を離したドランクがあたしの目を見る。
「今日、どこまでして良い?」
 切羽詰まった様な声。彼の後ろには寝床が見える。誘われて、相手の家に上がり込んだのは、あたし。
「……嫌だと言うまで」
 その返答に彼は笑う。次の瞬間にはあたしの体は宙に浮いていて、それから優しく、整えられたシーツの上に乗せられた。
 靴を脱がされる。そのまま服もと思いきや、ドランクは自分の靴を脱いで、まず布団を二人の上に被せた。
「寒いからね。まだ明るいし」
 そういう優しいところが好きだ。
「痛かったり怖かったりしたらすぐに言ってね。やめるから」
 でもそう素直に言葉に出来なかった。
 あたしは無言で頷く。ドランクは、こんな無愛想な女の何処が良いのだろう。
「あっ……」
「此処が良いの?」
 答えずとも、ドランクはあたしの反応を見て、触れたり離れたりを繰り返す。
 気が付いたら、お互い生まれた時の姿で肌を重ねていた。それからまた何度も頭がふわふわして、途中で異物感に勝手に声が出た気がする。
「ごめん」
 ドランクが謝るので我に返った。
「気持ち良くって……中にしちゃった……」
「大丈夫だ」
 萎れた耳を撫でる。
「あたしが、嫌と言わなかったから」

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