宇宙混沌
Eyecatch

ゆかいなコルワちゃん/シーナの口紅


「え~っ!? 初耳なんだけど」
「何が?」
 僕が出した声に反応したのは、スツルム殿を見失って戻って来たコルワさんだった。アオイドス達とコルワさんの部屋の前に座り込んで話しているうちに、話題は――
「エムイドスもヤル事はヤッているという話だ」
に移っていた。
「詳しく!」
 コルワさんもその場にしゃがみこみ、期待の眼差しを向ける。この話に気を向ければ、僕達の事は忘れてくれるかな?
「お相手はシーナさんって言うんですって」
「どこで知り合ったの?」
 質問には代わりにアオイドスとジャスティンが答えていく。
「虐三の頃からのファンの一人だ」
「ファンに手を出したの?」
「よくある話ですよ」
「ってことは、アオイドスやジャスティンにも相手が?」
 コルワさんの問いに、二人はぶんぶんと首を横に振る。
「エムイドスが手を出したというより、シーナに喰われたという感じだろう」
「でもバレンティンが左なんですよね……」
「左?」
「う、今のは気にしないでください」
「ジャスティン君、すっかり団長さんの影響受けちゃって……」
 哀れみの目を向けると、睨み返される。
「そういえばコルワさんはドランクさんの話を聴きたかったのでは?」
「そうだったわ!」
「え~酷いよ思い出させるなんて~。まあでも、強引な女性って良いよね~。スツルム殿はああ見えて全然押してきてくれないからって痛ててててててて!」
 突然耳をギュッと掴まれた。仰ぐと、スツルム殿が顔を真っ赤にしている。
「お前! あたしの知らないところでべらべらと!」
「まだ何も言ってないよ~」
「本当か?」
「本当よ」
 コルワさんの言葉に、やっと離してもらえる。
「フフッ。聞いていた通り、ドランクさんが尻に敷かれてるのね」
「ええそりゃもう。スツルム殿が言うなら、今すぐ艇から飛び降りたって良いですよ~」
「そんな事は言わない」
「あいたっ! 冗談だってば、例え話……ってなんでまだ刺そうとするの!」
「バレンティンもシーナさんに刺してもらったりするの?」
「君、大人しそうな顔して随分センシティブな質問をするね……」
 アオイドスがふぅ、と溜め息をつく隣で、僕はスツルム殿の剣に踊らされ続けていた。

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