「それより腹減った」
「服半分脱がしてから言う?」
「飯を食い損ねた事を今思い出したんだ」
「言われたら僕も半分くらいしか食べてないの思い出した。何か食べに行く?」
「お前の奢りでな」
「はいはい、今日は幾らでも出させていただきます。何食べたい?」
「肉」
「スツルム殿はいつもそれだねえ」
「うるさい。仕事で消費するんだから問題無い」
「文句は言ってないよ」
ドランクがつま先をとんとんと床に打ち付けて靴を履き直した。あたしは服を着直す。
外に出ると、夜風が冷たい。ドランクがいつもの様に手を繋ごうとしたのを、すんでの所で振り払った。
「さっさと行くぞ。店が閉まる」
ドランクは一瞬目を見開いたが、その意図をちゃんと察して口角を上げる。
「待ってよスツルム殿~」